« ルーカスの仲間たち 大集合 | トップページ | 米映画のヒーローと悪役ベスト100 »

2006.02.03

「白バラの祈り」「キャバレー」そして「橋」

「白バラの祈り ゾフィー・ショル、最後の日々」で、「キャバレー」と「橋」について少しお話しました。今日はその、「キャバレー」と「橋」についてもう少しお話したいと思います。

キャバレー

caba 1929年から30年にかけてのドイツ、ナチスが台頭し始めてきたころのベルリンのキャバレーを舞台に繰り広げられる、さまざまな人間模様を描いたブロードウェイ・ミュージカルの名作を基に、名匠ボブ・フォシー監督が描くデカダン・ミュージカル映画の傑作。

キャバレー歌手サリー(ライザ・ミネリ)の下宿に越してきたイギリス人青年ブライアン(マイケル・ヨーク)、ふたりの仲に介入していくバイセクシュアルの貴族(ヘルムート・グレーム)、そしてすべての登場人物と世相を操るかのように現れるキャバレーの司会者(ジョエル・グレイ)…。

彼らの織り成すドラマと歌の数々から、やがてファシズムを支える要素が、政治への無関心そのものであることまで浮き彫りにされていく。
アカデミー賞監督・主演女優(ライザ・ミネリ)・助演男優(ジョエル・グレイ)・撮影・美術監督・音響・編集・編曲の8部門を制覇。

ストーリー:1930年代初頭のベルリン。キャバレー「キットカット・クラブ」のスター歌手・サリーは、陽気で世話好きな女。英国人のブライアンと結ばれるが、そんな華やかさとは裏腹に、ナチスの勢力は着実に強くなりつつあった…。<Amazon.co.jp

   やがて訪れる悲劇の予兆

   「シンドラーのリスト」「ライフ・イズ・ビューティフル」「戦場のピアニスト」など、
   ナチス・ファシズムを描いた映画を観てきましたが、私はこの「キャバレー」を
   観たときに、一番その恐ろしさを肌で感じました。
   こんなシーンがありました。かなり前に観たのでさだかで無い所もありますが。

   のどかな風景の中、一人の美しい金髪の少年がすくっと立ち上がって歌い始
   めるのです。美しい声です。すると、周りにいた人々が次々と立ち上がり、歌
   い始めるのです。ひとつの流れのように・・・。そして、少年の腕にはハーケン
   クロイツの腕章が・・・。心の底から凍りつくような恐怖を感じました。ファシズ
   ムは獣のようにやってくるのではなく、こんなふうに一見美しい姿で、やってく
   るのだと思いました。そして、美しいはずの光景が限りなくグロテスクに感じら
   れました。

   1930年代初頭のベルリンの退廃的な雰囲気、やがて訪れる悲劇の予兆を
   見事に描ききった名作だと思います。

hasi

ドイツは、戦争で敗れた上にナチスドイツを生んだ国ということで、しばらく戦争映画を作りにくかったんですが、1950年代に入って、戦争で負った心の傷についての映画が作られていきます。

「橋」という映画は、戦争末期のドイツの小さな街を舞台に、日本でいうと高校1年生くらいの少年兵たちが橋の守備隊に駆り出されて、無残に殺されていく物語です。
cataloghouse.co.jp

少年兵たちは重要な橋だと信じて、がんばろうとします。戦況は悪化の一途をたどりますが、少年たちは命令どおりに橋を守り続けます。そこに米軍の戦車部隊が迫ってきます。

少年たちは次々と倒れながらも米軍を追い払います。7人いた仲間も2人になり、橋を守りきって帰ろうとすると、この橋を守る意味は全くなかったことがわかります。そして・・・。 

   やりきれない思いが残る

   ただただ、やりきれないという思いが残った映画でした。不条理というか、
   何の意味も無いことなのに、それを重要だと無邪気に信じて死んでいった
   少年たち。命の重みなんか無いんです。
   「プライベート・ライアン」もこの「橋」を参考にしたということです。

「白バラの祈り ゾフィー・ショル、最後の日々」に関連して、2つの作品を紹介させていただきました。第2次世界大戦とその前夜のドイツを描いた映画です。どちらも、私の中では名作中の名作です。 

ゾフィー・ショル(本人)の写真だと思います。iwanami.co.jp

wr5

私が高校生のときに見た写真とは違うような気がするのですが、なにしろ30年以上も前のことなので、はっきりしません。

「白バラの祈り ゾフィー・ショル、最後の日々」 私の住む地方都市でも上映されることになりました。いつになるかは、まだ、わかりませんが、よかった!!

|

« ルーカスの仲間たち 大集合 | トップページ | 米映画のヒーローと悪役ベスト100 »

コメント

TB&コメントありがとうございました!
昨年からドイツ映画をよく観るようになりましたが、「キャバレー」「橋」ともに未見です。今度選ぶときの参考にさせてもらいます~。
「白バラの祈り」早く公開されるといいですね!

投稿: chatelaine | 2006.02.08 00時54分

chatelaineさん、こんにちは。

こちらこそ、TB&コメントありがとうございました。

>「キャバレー」「橋」ともに未見です。
私も、かなり前に観たのですが、私としてはお勧めです。
「キャバレー」「橋」もDVDにはなっているのですが、「在庫切れ」状態のようです。
オークションには出ていました。

☆chatelaineさんはビスコンティがお好きなようで、うれしいです。
宣伝になってしまいますが、このブログの「映画情報・麗人特集」にアラン・ドロンとビョルン・アンドレセンの写真をアップしてあります。お時間があったら、のぞいてみてください。

これからも、どうぞよろしくお願いいたします。

投稿: nanako | 2006.02.08 10時29分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/148593/8483891

この記事へのトラックバック一覧です: 「白バラの祈り」「キャバレー」そして「橋」:

» 『白バラの祈り ~ゾフィー・ショル、最期の日々』   レビュー [西欧かぶれのエンタメ日記]
白バラ、という言葉を聞くと、純粋とか高潔といった単語が連想される。ものすごく私的なことだけれど、かつて私の通っていた幼稚園が白ばら幼稚園といったので、幼少時代を思い出して懐かしい気持ちになることもある。 そんなことを考えながら観にいった、今年はじめてのドイツ映画は、『白バラの祈り ~ゾフィー・ショル、最期の日々』という作品。ナチ政権時に実在した反体制グループ「白バラ」のひとり、ゾフィー(ユリア・イェンチ)の処刑までの日々を描いたものである。 反体制運動を実行するのは初めの数十分だけで、確... [続きを読む]

受信: 2006.02.08 00時55分

« ルーカスの仲間たち 大集合 | トップページ | 米映画のヒーローと悪役ベスト100 »